会社入社９年目に関東圏だが地方都市にある子会社の工場への出向を命じられ、単身赴任での生活が始まる。赴任して２箇月経たない頃に、上司で先に出向してきていた人の父上が亡くなったということで、会社代表で葬儀参列の為、九州の佐賀まで向かうことになる。ちょうど土日に当たっていて、行きたいという人は居なかったのだ。佐賀県というのは長崎への旅行で通過したことはあったが、降り立ったことはなかったので、会社の費用で旅行が出来るならと自分から志願したのだった。当時の出向先の暗黙のルールで、遠方の出張で飛行機を使うのなら日帰りで、新幹線を使うなら前泊も認められていたようだったが、休日を返上しての遠方出張だったので往復飛行機で前泊をさせて貰うことにした。出張で親会社から赴任している先輩は結構多くいて、何でもやり放題という感じはあったのだ。当時、会社でパソコンを使うのは普通になってきていたが、管理職以外はまだ一人一台という時代ではなかった。私は偶々業務上で多用することもあって、Windows3.1搭載のIBM機とMacintosh SEの二台をあてがわれていて、飛行機は自分でＰＣから予約している。まだインターネットが完全に普及はしていない時代で、確かパソコン通信から全日空のサイトへ繋いだのだったと記憶している。
