京都の初めての夫婦の旅行から帰ってすぐ、十年来の友人の結婚式列席の為に長崎まで飛行機を使っていくことになる。実は国内線で飛行機を使うのは初めての経験だった。
人生最初の飛行機搭乗は新婚旅行のパリ行きだった。二度目も翌年のパリ行きだ。三度目はローマ行きだった。その翌年の事になる。会社に入社して9年目だったが、まだ飛行機に乗っての出張は経験が無く、この時の長崎行きのすぐ後、デトロイトへ出張することになり始めての海外出張だったが、飛行機で国内の何処かへ出張するというのも経験がなかった。飛行機を国内出張で使うようになるのはこの6年後の事だ。
つまり、私が結婚して直ぐの事、就職してすぐの頃、80年代前半は飛行機という乗り物は海外へ渡航する為の交通手段であって、日本国内の何処かへ行く為の交通手段ではなかったのだ。