ここには海に面した所に、岡倉天心が建てた六角堂がある。いや、あったというべきかもしれない。あの大震災の大津波で土台から上が浚われたのだ。それから一年で寄付によって再建されたという。
岡倉天心はてっきり日本画の重鎮だと思っていた。横山大観が師事していたというのを聞いていたからだ。しかし、岡倉天心の代表的作品というのが思い当たらないので変だなと思って調べてみた。すると、何と岡倉は美術史家だったのだ。他にも様々な肩書があるが、画家ではなかったようだ。
岡倉は英語だけは得意だったようだ。面白いエピソードが伝わっている。米国へ行っている時、街角で若い米国人に英語でからかわれたようだ。「お前たちは何ニーズだ。チャイニーズ?ジャパニーズ?それともジャワニーズか?」
それに対して岡倉は毅然としてこう答えたという。
「我々は日本人紳士だ。それよりもお前こそ何キーだ。ヤンキーか?ドンキーか?それともモンキーか?」これを即座に流暢な英語で答えたという。
堪能なのは英語だけではなかったようだ。