ポン・デュ・ガールからレボーまでは約1時間ほどだった。着くまで、車で結構登るのに驚いた。最後の最後、絶壁のところだけ登るのだろうと思っていたが、丘自身が結構高いところにあるらしい。
途中で景色が変わるからと運転手が言っていたとおり、あるカーブを曲がると突然、穏やかなハーブの生えていた緑の山道が、険しい石灰岩の岩肌があちこちに見える山肌に変わる。まもなく、ちょっと遠くにレボーの街が見え出した。
車で行ける一番頂上まで登って、運転手はその辺で待っているからというので、3時にここでと待ち合わせて、出掛ける。1時半くらいにはなっており、もう1時間半ほどしかない。
下のほうは、お土産屋などが続き、大山の昇り口を洋風にしたような感じの石の家々が続く。とにかく暑く日差しが強く、まわりが全て白く見える。
が、僕は時間内に見て回れるかのほうが気になって、気がせいてどんどん登ってゆく。
やがて、入場料を取る入り口のようなところにでて、列に並ぶ。やっとのことで、切符を買い、薄暗い堂内から日差しの強いレボーの頂上の平らな部分へ出る。最初のところに墓跡らしきものがあり、それを抜けたところに広く続く頂上の平原の始まりのところに出る。
時刻は1時半過ぎで、まず腹ごしらえをしたほうがいいだろうと、壁に面した木陰の石のベンチに席を取り、持ってきた昼食をまず食べようと提案する午前中にアヴィニョンの市場で買ってきたサンドイッチ等の包みを開く。猛暑の中で、みんな食欲も無かったみたいだったが、食べ出すと意外と空腹感も感じてきたみたいだった。今朝、市場で買ったオレンジと桃が気温で腐り始める直前の熟れ方をしていて、食べると丁度いい具合だったようだ。僕はフランスパンのサンドイッチとオレンジを半分位貰う。オレンジが意外と美味しかった。
そして食べ終わると、いざ出陣とばかりに頂上の平原を巡る。一応順路がある様子で、低いほうから順に回ってゆく。まわりに手摺りがあって、そこから下を見ると、聞いたいた以上の断崖が下に広がっているのが見える。眺めは快晴の為もあって、相当遠くまで見渡せる。順番にぐるりと周囲をまわってゆく。
途中、ちょっと坂を下るところがあって、他の皆は通り過ぎてしまったみたいだったが、降りてみると、牢獄のような檻のある部屋がある。
その後はクライマックスのようなレボーの丘の中でも更に高い頂きが幾つか続き、それをひとつひとつ頂上まで登る。最後のほうは私と息子だけになって、ふうふう云いながらひとつひとつ頂上を極めていく。
息子も相当きつかったと思うが、私になんとか付いて来た。それだけに頂上を極めた感慨は強かったのだろう。息子に頂上を征服した私の感激をビデオに撮ってもらったのが次の画像だ。