１０月の終わり頃、東京出張があって新宿までの車窓を眺めながらデジカメで風景の写真をずっと撮っていた。この頃、偶々自分が幼年期から現在に至るまでずっと小田急線沿線に棲み続けて５０年ぐらいになるので沿線風景の思い出をエッセイにしようと思って、取材代わりに写真を集めていたのだ。
最初の風景は相模大野からもうすぐ町田に着く頃、線路が緩い右カーブを描くと車窓に牧場が見られたのだ。おそらく小学生時代だと思われるが、高校生の頃にはすっかりその姿を消し、現在では線路脇の柵にその片鱗が窺われる程度だ。小学生の頃は何故こんな場所に牧場があるのか不思議でいつも眺めていた記憶がある。
