旧市街の昭和の街角を彷彿させる個人商店で次に取り上げるのはクリーニング店だ。クリーニング店も大型スーパーやデパートの一角に店を構えることが多くなり、一軒家で個人商店を構える店も減っている気がするが、こちらは褪せてはいるものの色鮮やかなパステルグリーンの看板建築のモルタルの壁が存在感を示している。
クリーニング屋の隣にあったのは昔ながらの青果店だ。この手の店も古くから続く街並みにしか見かけなくなった。今も使われているのか分からないが、バネばかりと天秤計りが、昔ながらの量り売りの歴史を物語っている気がする。
更にバス通りの角には昔ながらの洋品店があった。二階の窓のステンドグラス風の枠や、白いペンキで塗られた看板、真鍮製の斜めの手摺が付けられた観音開きの入り口扉など、華やかだった時代を忍ばせる造りだ。