人生最後の独り旅として平泉、遠野、陸前高田と廻った時には、既に付き合っている女性が居た。だが、その時はまだその人と結婚することになるだろうとは思っていなかった。しかし遠野の旅からちょうど一年後ぐらいに正式に婚約し、その年の夏には結婚することになる。
私がいつも一緒に遊び歩いていた仲間に誘われて、三陸の浄土ヶ浜へ男三人で出掛けた数箇月後にはその友人は結婚式を迎えていた。
そしてそれから約二年の間に一緒に遊んでいた同期の仲間全員が私を含めて結婚することになる。当時は男は30までに、女は24までに結婚しなければと皆必死だったのだ。特に24歳過ぎの未婚の女性はクリスマスケーキを擬えて売れ残りと評されていた。
結婚して新婚旅行から帰ってきてすぐに私を浄土ヶ浜に誘った友人から軽井沢にあった会社の保養荘への一泊旅行に誘われた。保養荘近くのテニスコートでのテニスとセットになった旅行だったが、その旅行に結婚したばかりの妻と参加した。その旅行にはこの二年間の間に結婚した仲間の三組が夫婦で参加し、奥さんが用事でどうしても参加参加出来なかった一人が男だけで参加したのを含め、仲間4人が結婚後初めて一緒に旅行をしたことになる。それぞれに独身時代から新しい時代へと踏み出したばかりの頃である。
この軽井沢の保養荘も取り壊されて今は既に無くなっている。