松濤界隈を歩いていて道路に東京都が設置している下水道のマンホールを見つける。どこも同じデザインの筈だと思うのだが、観たことのないエレガントなデザインのものだった。
そのマンホールを通り過ぎてすぐ、松濤界隈のもう一つの目標地、観て観たかった場所を見つける。デビ・スカルノ、デビ夫人の邸宅だ。場所を事前に確認していたかどうかもう憶えていないが、遠目にも煉瓦造りの塀と建物が一体化しているような不思議な建物で、普通ではないと思って近づいていくとやはりデビ夫人邸に間違いなかった。
駐車場らしきシャッターの隣に目立たないようなこじんまりとした銘板の表札があって、アルファベットで持ち主の名が記されていた。
建物は緩やかな坂の途中にあって、場所によって3階建てか4階建てのようだった。イスラム圏のモスクとか要塞のようにも見える不思議な建物だった。
見上げるとカーテンの掛かった小窓があって、家の紋章らしき模様が刺繍されているのがいかにもという感じだった。