渋谷の田園都市線地下駅を出て二つ目ぐらいに三軒茶屋に着く。東急世田谷線はここから少し歩いて乗り換えるというので地上に出て歩いてみる。
三軒茶屋は大学生の頃に一度だけ歩いたことがある筈だが、何をしに来たのかはもう憶えていない。首都高３号線のガード下をずっと歩いたという記憶しかない。
世田谷線は電車のイメージではあったが、実際はバスに近かった。駅の雰囲気は江ノ電に近いのだが、料金支払いシステムなどはバスそのものだ。ここから出発したら、テレビで親しんだサンチャの世界が広がっていた。風呂屋の煙突が次から次に現れたり、ついつい窓の外に見入ってしまった。見た事のない初めての東京の風景がそこに広がっていた。途中の駅で、インド人の夫婦とその母親というのが突然乗ってきたり、ヤンキー風の親子三人連れが乗って来たりするのも東京ならではなのだろう。駅名も普通と違って、やけに人の名前のようなものが多かった気がする。
