norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

天平の甍

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 和気を出て熊山というところを通り過ぎ、万富というところまでやってきた。この辺りには特に何もないなと思っていたら、万富駅の北側に万富東大寺瓦窯跡というのを見つけた。

 奈良の東大寺は何度か焼失している。最初は源平合戦の時とあるから平安時代だ。鎌倉時代と江戸時代に大きく復興されているようだ。その都度、大量の瓦が必要になった筈で、万富の地から昔の瓦が出土し、東大寺の銘があったことから、この地に東大寺の瓦窯があったことが発覚したという。東大寺が最初に建立され、大仏の開眼法要があったのは天平時代だ。

 

 大仏殿などとは直接の関係はないが、天平と言えば、天平の甍がすぐに思い起こされる。井上靖によるこの物語をちゃんと読んだことはないと思う。それでも天平の甍という題名と作者をちゃんと覚えているのは、おそらくは著作の一部が少年期の国語の教科書か何かに掲載されていて接したのだろうと思われる。どんな話のどんな部分が掲載されていたのかは最早知る由もないのだが、瓦のことを甍と呼ぶことを初めて知ったその作品名だけは妙に心に残った。

 

 旅行へ行って寺社仏閣を巡ると必ずと言っていいほど、この甍を撮影せずにはいられない。次の画像は東大寺のでも、唐招提寺のでもないのだが、先の京都旅行の際に訪れた清水寺の一部だ。

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