京都を出て三日目。茨木というところまで到達した。
茨木というと何故か万博記念公園を思い出す。住所的には茨木ではなくて千里ではないかと思うのだが、大阪のほうの茨木というと万博公園が浮かんでくるのだ。まあ、遠くはないので、茨木を通って行ったのかもしれない。
万博公園へ行ったのはたった一度きりである。就職する直前の頃だったと思う。万博が開催されてから10年までは経っていなかったと思うが、太陽の塔はかなりもう錆びていたように記憶している。その後リメイクされて綺麗になって復活したという話を聞いたようにも思う。
京都と大阪を旅行した際に、その当時大阪に棲んでいた友達が居て、特に当てもない旅だったので、その友達が連れていってくれたのだったと思う。大阪梅田駅からローカルな私鉄に乗ったのだったが、その時生まれて初めて自動改札機というものを経験したのだった。その当時、大阪や札幌などにはごく普通に自動改札機は普及していたらしいのだが、関東地方での導入はだいぶ後になってからだった。だから、自動改札機なるものは体験したことがなく、初めての事だったのだ。
友人と数人連れで千里中央の駅辺りに降り立って、ふと気づくと自分だけ切符を持ってなかった。自動改札で切符を差し込んだ後、自動的に出てくる切符を持ってくるのだと知らなかったのだ。全く田舎から出てきたおのぼりさん状態だった。
その前後の頃だと思うが、お気に入りのグラスを持っていて大事にしていた。岡本太郎デザインの太陽の塔と同じ顔が底に刻まれたウィスキーグラスで、日本製のウィスキー、ロバートブラウンのオマケで付いてきたものだ。ロバートブラウン自体が好きで、よく呑んでいたのだが、この時はグラスが欲しくてわざわざ買ったのだった。
随分長い間愛用していて、大事にしていたのだが、ふと気づくと何時の間にか無くなってしまっている。割ってしまったのだったか、捨ててしまったのか判らないが、今何処を捜しても出て来ない。
今、愛用しているのはこのグラス。自分の子供達からのプレゼントである。