「東山三十六峰、草木も眠る丑三つ時・・・」
この言葉、何処で聞いて覚えたのか判らないのだが、何度も頭に刷り込まれたらしく、ここまではスラスラと出てくる。おそらくは小学生の頃だろう。お化けの出てくる怪談か何かのような気もするし、落語だったかもしれない。
東山と言えば、すぐに京都五山の送り火で有名な大文字山が浮かんでくる。京都大学のキャンパスがある辺りから東の方を見上げると、山肌にくっきりと大の字が刻まれているのが判る。
大文字焼きの送り火は箱根にもある。確か明神ヶ嶽か明星ヶ嶽のどちらかだったと思う。小学生の時と、中学生の時の両方に一度ずつ、林間学校でこの山の麓の宮城野というところを訪れ、その際に大文字焼きも観ている。もう微かな記憶ではあるが、送り火のあった翌日、明星ヶ嶽から明神を経て金時山まで尾根伝いに登山があった。その途中でまだくすぶっているような大の字の焼き痕をこの目にした記憶がある。
大人になってからは渋滞が嫌で、お盆の頃の箱根には近づいた事が無い。