大川邸を出た後、ラランデ邸という洋館をもう一つ見てから常盤台写真場というのに入ってみる。写真場という聞き慣れない言葉だが所謂写真館のようだった。外観の二階上部屋根裏部分にTOKIWADAI PHOTO STUDIO とあって当時はとてもハイカラな建物だったのだろう。
2階が撮影をするスタジオになっていた。その頃ちょうど書いていた小説に写真スタジオに監禁される女性のシーンがあって挿絵に使おうと思って内部の写真を撮っておく。もう50年ぐらい前から一般生活では写真スタジオというものを見ることは無くなってしまった。
常盤台というから板橋区の常盤台にあったのだろう。手塚治虫等が棲んでいたトキワ荘をすぐに思い出してしまう。その時代を思い起こさせるようなものが並んでいた。黒電話、壁直付けの照明、猫脚のテーブルなど昔は極普通の生活で見られたのに今では博物館でしか見られないようなものが並んでいた。