エンジン関連部署からシャシー関連部署に移って寒地試験はその後3、4回は出掛けているがABS装置などには直接はタッチしていなかったので毎年行くということはなかった。それよりもシャシー系の電子機器制御装置を担当するようになって、様々な関係部品メーカを廻ることが多くなった。センサ等細かな、それも特殊な部品が多かった。そういう部品を作っている工場は何故か地方の田舎の奥地にあることが多かった。そういう関連の一つで出掛けたのが、M社ともN社ともP社とも名乗っていた超大手電器メーカーの子会社で福井にあった工場を冬場に訪ねている。勿論、福井県自体訪れるのは初めての経験だった。
米原まで新幹線で行って、そこから北陸本線の特急に乗り換えたのだと思う。降りた駅ははっきりしないが、福井の駅で降りてタクシーを使ったらしい。雪がちらちら舞っていてタクシーの運転手は今年初めての雪だと言っていた。
工場見学をさせてもらって、部品についての打合せを暫くしたあと料理屋に連れていかれる。解禁になったばかりの越前ガニを接待で御馳走になる。そしてその後はクラブと称するカラオケバーのようなところに連れていかれる。時代を象徴するような長い髪にボディコンミニスカの女性が居て、そこはまだバブルを引き摺っているような感じだった。