朝一番ぐらいの飛行機に乗って沖縄入りし、タクシーで相手先の会社へ向かう。向かった先は店舗ではなく、各店舗に商品を仕入れるバイヤーの事務所だった。
着いたのがお昼だったので、先方の会社の方が弁当まで出してくれた。小一時間のヒアリングを二人の方からさせて貰って、レポートを出すのに充分な情報を仕入れるとお礼の菓子折りを渡してその晩泊るホテルへと戻ることにする。
夕食を仕事を終えて戻ってくる弟と合流してホテル近くの焼肉屋で採ることにした。次の日は弟の家の車を貸して貰って、何処かの海へドライブに出ることにしていた。勿論水着も用意してきていた。
しかしなかなか上手くは行かないもので、その夜遅くに少し前から実家の近くの病院に入院していた姉が危篤になったと電話が掛かってきた。弟と電話で相談して二人で朝一番の飛行機で実家へ向かうことにする。
沖縄は返還されて十年近く経っていた筈だが、朝早くてがらんとした空港に返還前の名残のような免税店があったのを見たような記憶があるのだが、確かではない。
