昨日は1万5千歩を超え、距離としては13km。いよいよ岡山駅までやってきた。昨日紹介した津山事件の津山まで通じている津山線も岡山から分岐する。
昨日の記事では横溝正史の八つ墓村が、実際に起きた大量殺戮事件、津山事件を元にしていることに触れたが、私自身はこの事件のことは八つ墓村を読んだ時はまだ知らなかった。津山事件について知ったのは、島田荘司氏の長編推理小説、龍臥亭事件を読んでの事だった。八つ墓村を最初に読んだ実に20年後のことだ。同じ事件を題材にはしているが、扱い方が大きく異なる。
八つ墓村のほうは、作品のプロットにヒントを得た程度であるが、龍臥亭のほうは、作者本人のあとがきにもあるように、実際の津山事件のことを多くの読者に知って貰う為に書かれたものだそうだ。勿論、史実にかなり基づいてはいるものの、基本は作者の創作によるフィクションで、津山事件そのものは島田の創作になる現代の殺人事件が起きることになった原因として扱われている。
龍臥亭事件を最初に読んだ頃は、世の中にやっとインターネットが普及し始めた頃で、通信方式もまだダイヤルアップが主流だった。検索などというものは、まだ世の中には浸透してはいなかった。なので、島田荘司によって、津山事件というのが実際にあったことらしいとは理解したものの、龍臥亭に書かれている以上のことは当時は知る由もなかった。
冒頭の絵は、龍臥亭を読了した直後に自分が思い描いたイメージを絵にしてみたものだ。アクリル絵の具を使って、バリの細密画や曼荼羅図などを真似て時間の経過を追った出来事を一枚の絵のあちこちにはめ込んで描いている。