京の夜。ちょっと古そうな町屋の店の暖簾をくぐる。おばんざいを肴に酒を酌み交わす。勿論伏見の日本酒である。
おばんざいというのは不思議な食べ物だ。旨いって思いながら口にしても、何を食べたのかなかなか思い出せない。それぐらい、使われている食材がお互いにマッチして融けあってひとつになっているせいだろう。豆腐を食べた、筍を食べた、鱧を食べたという感じとはちょっと違う。
店を出るとほろ酔い気分だ。はて、ホテルはどちらだったっけ。ふと足元を見ると、綺麗な道標がある。こんなところまで京都は贅沢だ。
さて、そろそろ京都の街をぶらついているのはこれぐらいにして、また出発しようかと思っている。とりあえず西のほうへでも行ってみるか・・・。