松濤界隈を歩いていると、不思議な入口を幾つか見掛ける。不思議な入口と言い方は表現しにくいからで、路地を歩いていると何かの入口のような小路を見つけるのだが、その先にあるものが建て込んでいて見えないという状況だ。しかも小路は個人の邸宅ではない規模のものだという点もある。
最初に見つけたのは入口付近にある案内板から仏教系の寺院らしいことは分かるのだが寺院そのものの建築物は見えないものだった。聖泉院というお寺だったようなのだが、奥まで入っていく勇気が出なかった。
二つ目に観たのはミモザハウスというものだ。入口の手前にはその付属施設らしい蔦の葉が絡みついた洋館があって、ミモザハウスの本体はその奥にあるらしかった。入口の看板には「関係者以外立ち入り禁止」と書かれていて勝手には入れそうもなかった。後で調べると撮影用のスタジオがあるらしかったが、どんな建物なのかは想像もつかない。
三つ目は新興宗教っぽい「東京中央教会」と書かれた看板の付いた鉄門で、これも本体の建物までの道しか見えないものだった。後で調べると同名の教会は東京や近辺に幾つもあって、しかもそれらは夫々独立した宗教施設らしかった。
