子供の頃、Ｚ市という所に棲んでいた。そこには米軍キャンプがあった。年に一度、独立記念日の頃キャンプオープンデーというのがあって、市民に開放される日があって、子供の頃に何度か行ったことがある。見たことのない大きさのコカ・コーラの缶や嗅いだことのないハンバーガーの焼ける匂いなど異次元の世界がそこにはあった。
ユーミンの歌の中に天気雨というのがあって、歌詞に「白いハウスを眺め相模線に揺られて来た」という一節がある。白いハウスというのですぐ目に浮かんでくるのは鉄条網で囲われたキャンプの敷地の中に真っ白なペンキで塗られた壁の家が小山のあちこちに点在している景色だ。白い壁の家の周りは必ず緑の芝生で囲まれていた。
２０００年の頃、ゴールデンウィークの連休になると昔棲んでいたＺ市を懐かしんでよく散策をしていた。昔はいっぱい見られた白いハウスもだんだん数が減っていったのが時代の流れを感じさせた。
