２０１８年末 京都旅行 １５

　京大キャンパスの南側の端に旧制二高時代からあるという学生寮が残っているというので行ってみることにする。史跡として残っているのかと思ったら未だ棲んでいるという。大学当局は取り壊し建て替えを目論んでいるが学生が立て籠もって守っているという感じだった。撮影は出来ないが内部も見学できると貼紙があったので中にも入ってみる。木造二階建てで廊下や階段はぎしぎしと音がする。玄関脇にロビーのような部屋があって誰か若い男の子がずっとホンキートンク風のジャズピアノを弾いていた。

　学生の頃、旧制一高であった東大の駒場寮というのにも入ってみたことがある。見学という意味だ。あちらは四階建だったが内部は殆ど同じ雰囲気だった。部屋は全て部室になっていて入寮者はいずれかの部に所属して棲む仕組みだった。廊下を歩いて行くとお香の匂いがしてきて部屋の中から念仏が聞こえた。看板をみると東洋文化研究会と書かれていたのを思い出す。駒場寮はもうとっくに無くなったそうで、京大吉田寮はもう少し持ちこたえて欲しいと思った。