上野発の夜行特急ゆうづるで目覚めたのは夜明け前の4時過ぎ頃だったようだ。隣のボックスで寝ていた人にボックス席の直し方を教えて貰う。段々明けていく青森近くの景色を二年前の記憶を辿りながら見比べていた。
7時半に青森駅に着くと、駅から出ることなくそのまま連絡船乗り場に直行する。船は摩周丸だった。その当時、連絡船は摩周丸の他、津軽丸とあとふたつぐらいあったように記憶している。
船がぐっと最初に動き出した瞬間に、ああ、旅が始まったのだと実感したと当時の日記に書いてあった。
朝ごはんに前の晩、姉に作って貰ったお握りを食べた後、デッキにあがる。その後はずっとデッキで海と津軽半島を観ながら函館までの時間を過ごしたようだ。