昨日は油断していて3千歩余りで終わってしまった。温泉津(ゆのつ)を出て、隣の石見福光(いわみふくみつ)までしか到達出来ていない。
自分で料理する原点が炒飯だとすれば、自分で料理をするようになるきっかけとなったのは、何と言っても天麩羅だろう。
大学生になって、それまで滅多に無かった外食というものをするようになる。それで驚いたのは、料理屋で出される天麩羅が、家で食べるものと全然違っていたからだ。天麩羅というのは、普通べちゃっとしたものだと思っていて、外で食べたカリッとしていてサクッと食べられる天麩羅があることを知って仰天したのだった。こんな美味しいものを何とか家で作って食べられないだろうかと思って、休みの日などに研究を始めたのだ。それまで見た事も無かった料理の指南本なども漁ってみた。
その当時は今のように「誰でも失敗しないてんぷら粉」みたいな商品はない。薄力粉に玉子を混ぜて、氷で冷やす。油の温度を十分上げて、箸の先で温度を確認する。ネタは油の温度が下がり過ぎない量にする。水分が弾ける音で揚げ具合を確認する。何度も失敗してはやり直しを繰り返し、家で天麩羅を揚げるのは自分が一番うまくなったのだった。