今日は伊藤若冲だ。江戸中期の絵師で商家の出であるが、殆ど一生を絵に捧げたらしい。相国寺とも縁が深いようで、雅号の若冲は相国寺の禅僧から与えられたものとのことだ。
相国寺に付属する承天閣美術館にてちょうど伊藤若冲の名宝展が開かれていた。様々な作品が展示されていたのだが、得意とする鶏を初めとする花鳥画も素晴らしいが、中でも気に入ったのが冒頭の鹿苑寺(金閣)大書院の旧障壁画の中の一枚、葡萄小禽図。違い戸棚の背面の襖絵で、金閣の書院造そのものが美術館内に再現されていた。最初観た時、奥の違い戸棚の部分に生け花のように葡萄の樹が配されているのだと思っていた。近づいてみて、それが襖絵であったことに気づいて度胆を抜かされた。
相国寺は鹿苑寺(金閣)、慈照寺(銀閣)ともに山外塔頭として配下に治める大本山なのだそうだ。それだけに美術品等は飽きない見応えのあるものが多い。