norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

モンサンミッシェル

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 昨日は有年(うね)というところまで来た。山陽本線はひとつ手前の相生から国道2号線と併走しながら内陸のほうへ入っていく。一方、相生から山陽本線と分かれて、赤穂線が海の方へ向かってゆく。有年と同じ位の距離のところには、赤穂城をすぐ傍にいただく播州赤穂の駅がある。赤穂城がある辺りから南側にもまだ陸が続いているが、航空写真から見る限り、城の南側は綺麗に整地されている様子から明らかに埋立地だ。おそらく城が使われていた江戸時代には瀬戸内海に面していたのだと思われる。

 

 前々回に話題にしたイアンフレミングの007は二度死ぬだが、原作では、ボンドは敵の潜む、海に面した古城に向かうことになっている。しかし日本には古来より海に面して城を築くことが忌避されておりロケ地として適当な場所が見つからなかった為、ストーリーを変更して敵のアジトを火山火口内の秘密基地に変えてしまったという。日本では海に面して城を築かないのは、台風の被害を防ぐ為と、攻め込まれた時に逃げ道が無くなるからだと言う。しかし赤穂は数少ない海に面した城だったようだ。

 

 そう言えば、ヨーロッパでは海に面した古城の類は極々普通にあるのは何故だろうか。城の守りの考え方に根本的な違いがあるのかもしれない。ヨーロッパの城では廻りを高い城壁で囲うのが普通だが、日本の城にはどちらかと言えば城壁よりはお堀によって敵の侵入を防ぐほうが普通だ。ヨーロッパの城にも堀があることもあるが、日本の堀ほどのものではないように感じる。

 

 イアンフレミングは日本に強い興味は持っていたようだが、日本の事を正確には知らなかった可能性が高い。彼がイメージしたボンドの敵のアジトは、ノルマンディモンサンミシェルみたいなものだったのではないだろうか。