南木曽を出て、田立を過ぎ坂下というところまでやってきた。田立から坂下の間で長野と岐阜の県境を越える。いよいよ名古屋も近づいてきた。相変わらず中山道、国道19号、そして木曽川沿いの中央本線だが、旧中山道を歩いていれば、妻籠宿を出て、馬籠峠に差し掛かった辺りということになる。
妻籠、馬籠と同じ籠の字がついているが、読みはご(かごからきているのか?)とこめ(こめるの短縮?)と読みが違うのが面白い。籠はざると同じく竹を編んだ容器のことだが、駕籠の意味もあるという。妻籠はかよわい女は山越えが難儀で駕籠で越えさせたことに由来するのだろうが、馬の籠とは何だろう。牛ならば牛車というものがあるが、馬と駕籠は一緒のものを連想出来ない。馬車が江戸時代にあったとは思えないし、山越えには快適そうにも思えない。
馬子(まご)という言葉があって、駄賃馬稼(だちんうまかせぎ)のことだそうだ。それだけでは説明になってないが、お金を取って荷物を馬などで運ぶ稼業のことだという。これかもしれない。ちなみに駄賃というのは駄馬からきているらしい。馬を駿馬と駄馬に分け、駿馬は速く走れるので軍用に用い、速く走れないのは駄馬と言って荷物運びくらいにしか使えなかったからということだ。
最近はあまり使われない言葉だが、お駄賃というのがある。これから馬で運ぶことを連想する人が居るだろうか?