norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

幻の陸橋

 中山道、二日目。東京から17.9km進み、赤羽と浦和のちょうど真ん中、西川口辺りまで来た。17号線で言えば、高島平辺りになるのだろうか。

 

 私の幼い頃の微かに残っている記憶に、幻の陸橋というのがある。場所は東京都心を出ていく時と逆に東京都心に戻ってくる時に必ず通る場所だった。都心から何処へいくのかと言うと、漠然と北のほうとしか判らない。車でその陸橋を越えるのだ。その陸橋の背景にはビル群などはない。まだ平屋の家屋ばかりだった頃に違いない。その陸橋は急勾配で一気に昇ってゆき、弧を描きながら又下っていく。そんな陸橋はその当時、どこそこにもあるものではなかった。だからこそ記憶に焼き付いているのだろう。地図や昔の東京の写真など色々捜してみたが、未だはっきりとしたものは見つかっていない。

 

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 推理するしかないのだが、自分が幼少期、車で何度か通過しているということは軽井沢方面しか考えられない。軽井沢方面へ向かったとすれば使ったのは国道17号しか考えられない。昔の道路が陸橋で越えるものとしたら、鉄道ぐらいしか考えられない。となると、国道17号が埼京線、おそらく当時は赤羽線と言ったのだろうが、その路線を越える場所ではないかと思うのだ。今の板橋駅のすぐ北東の辺りということになる。今は首都高も出来ているし、高いビルが幾つも建って見通しは効かない。私の微かな記憶の片鱗も残っていないだろう。

 

 同じ様に古い記憶というのでは、場所は少し離れるがお化け煙突というのがある。ちょっと自信がないが一番最初は小学校の社会科の教科書で見たような気がする。千住にあった火力発電所のものということらしいが、東京オリンピックのあった年には既に取り壊されている。自分がその実物をみたのかどうかも定かでない。遠足のバスの車窓で移動していくに連れて、見え方が変化していく様を見たような気もするし、ただの想像の世界なのかもしれない。この位の昔の記憶となると、幻の陸橋にしろ、お化け煙突にしろ、記憶までモノクロームになってしまう。

 

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 そして今ふと突然思い出したのだが、つげ義春さんの漫画の復刻本でおばけ煙突というのを持っていることに気づいた。あとがきを観ると、最初に描かれたのは昭和33年とのこと。つげさんの漫画を知ったのは大人になってからだった。ちょっと中山道から大分脱線してしまった。

 

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