鳳凰堂の中の見学は予約制で時間が掛かりそうだったので止めて、鳳凰堂の裏側にある鳳翔館という博物館だけ見ていくことにする。
鳳凰堂の天井にある鳳凰のレプリカなのか、こちらが本物なのかよく判らないが同じものが展示してある。
興味を惹いたのは雲に乗った菩薩像だ。それぞれに楽器を手にしていて演奏している姿なのだが、全部で26体あるらしかった。
源氏物語ミュージアムを出ると宇治川の橋を戻っていよいよ平等院の参道に入っていく。ここも閑散としているのだが、考えてみればコロナ禍で観光を控えている人が多いのだとやっと気づく。
初めて観る平等院の実物は想像していたのよりは一回りほど小さい気がした。何度も塗り替えられているのだろうが、朱塗りの柱などは古さを感じられない。
団体客が一組居てガイドが説明しているので、さりげなく近づいていって説明を聴く。正面の上のほうに窓があって、そこを開くと中に安置されている釈迦如来の顔が見えるようになっていると聞いた様な気がするが、もしかしたら他の寺院でのこととごっちゃになっているのかもしれない。
平等院の前の池は蓮池らしいのだが、丁度季節が悪く花はほんの数輪が開いているにすぎなかった。代わりに池の周りに何本か植えられている百日紅(さるすべり)が見事なピンク色で咲き誇っていた。
最終日になっていよいよ今回の一番の目的地、宇治へ向かうことにする。8番線の奈良線で快速に乗って宇治を目指す。宇治は妻のほうは義父と訪ねた事があるのと事だったが、私は初めてだった。天気は今一つで降ったり止んだりを繰り返している。初めて降り立った宇治の駅は有名な観光地とは思えないような閑散とした雰囲気だった。