norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

いざ、再びパリへ

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 パリへ向かう帰りのTGVへ乗込むと、切符の席番のところに見知らぬ外人四人が座っている。切符を見せるとすぐにどいて、別の場所へ移ってくれたが、この辺もフランスらしい。神様がそうお造りになったのだろう。

 帰りの便では席は片側二列なので向い合せにしてテーブルを真ん中に出す。日本で良く観る特急列車のより一回り大きくて使いやすい。すぐにホテルから持ってきた呑み残しのワインを出し、ホテルで貰ったプラスチックのカップに注ぐ。息子をビュッフェへ連れていって、ハムエッグサンドを買ってやり、娘用には頼まれていたオレンジーナという名のジュースを買ってきてやる。

 電車の中ではフランス旅行も残り一日半となるので、無駄にしないようにとガイドブックを丹念に調べて廻る場所を決めるのに使っていた。

 20分遅れたせいで、12時ちょっと前にパリ・リオン駅に着く筈だったのが、12時ちょっと過ぎの到着となる。

 

再びのアヴィニョンTGV駅

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 朝食を終えるともう出発の時間になる。ホテルのフロントからタクシー会社に電話して貰ったが10分待っても一向に来る気配がないので、再度電話して貰う。やっとのことでやってきたのは古いシトロエンのバンだった。いかにも南フランスという感じがする。駅までは来たときよりも短く感じた。そういうものなのだろう。

 駅に到着すると何やら女性の声でアナウンスしている。最初フランス語だったが、次に英語になって、どうも電車が故障か何かで20分ほど遅れると言っているようだった。アナウンスは女性がとてもゆっくり、一語一語話していて外国人に優しい放送になってると感じた。

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 ホームで待つ時間が長かったので、ホテルの冷蔵庫で冷やしておいたビールを出して呑むことにする。全面ガラス張りの駅ホームは強い日射が照りつけていて結構暑い。それでもエアコンも使われていて、息子に吹き出し口を教えてやると、ずっとその前に立って涼んでいた。

 

ブリストル ホテルでの朝食

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 南仏に来て四日目の朝は、もう南仏を発ってパリに戻る日だ。起きてすぐにブリストルホテルでの最初で最後の朝食を採りにホテル内部のダイニングへ入る。7時頃でまだ準備中だったがテーブルへ案内してくれた。外の道路に面しているレストランとは雰囲気が違っていてちょっと穴倉に入ったような気分。壁やテーブルクロスが薄いピンクの基調で統一されていて、窓が少ない空間だが明るくしている。壁にもピンク色が基調のロートレックのようなポスターが飾られていた。

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 朝食はビュッフェ形式でパンは定番のクロワッサンが主流。シャルキュットリーと呼ばれるハム、ベーコンなどの肉類加工品を数種と地元のチーズを採る。珈琲はもちろんエスプレッソだ。豪華という感じではないが、国際ホテルの定番メニューが一応揃っている。

 

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ブリストル ホテルでの夕食

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 ヨーロッパを始めて旅行すると、西洋料理のバター、オリーブオイルなど脂分の多い食事で次第に胃もたれを感じるようになるようだ。我々夫婦も最初のパリ旅行の際にこれを感じ、日本食レストランを多用した。南仏旅行で初めてヨーロッパを経験した娘と息子もマルセイユ、エクスへのドライブから帰ってきて、もうレストランはいいというのでホテルの部屋で、日本から持参したカップ麺をルームサービスで採ったポットのお湯を使って夕食代わりに作ってやる。

 我々夫婦は二人だけではホテルの一階にあるレストランに食事に出ることにする。このレストランはホテルのダイニングも兼ねていて、ホテル側からも外の通りからも出入り出来るようになっている。

 食事は軽めにしておいて、念願のパスティスをアペリチーフとして、その後本当はレ・ボー近辺のレストランで試すつもりで逃したこの地方の有名なワイン、ジゴンダを頼むことにする。エスカルゴともう一品、軽い料理を頼んだ後、ジゴンダをと言ったら、最初無いと言われた。そんな筈はないと思ってよく訊くと、グラスで頼むと思ったらしく(そんな小さなのは)無いと言ったらしかった。「Un bouteille, s’il vouz ple. (大瓶、一本で)」と頼み直したら笑顔で「D’accord. (承知しました)」と返してきた。

 ジゴンダはGigondas と書くので日本ではよくジゴンダスと間違って呼ばれてしまうことが多いが、フランス語では語尾の子音は通常読まない。血の赤とも称される凄く濃い色の赤ワインで、当然味も凄く濃い。シャトーヌフ・デュ・パプ(教皇庁のワイン)と並んで、南仏では有名な赤ワインだ。

 

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ホテル ブリストル

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 エクスからアヴィニョンに戻ってきたのは6時過ぎ。と言っても夏場の南仏はまだまだ明るい。代金と10euroのチップを渡してハイヤーの運転手とはオテル・クロワートル・サンルイの前で別れたのだが、そのまま朝チェックイン済の隣のホテル・ブリストルへ向かう。

 クロワートル・サンルイは南仏でゆっくり時を過ごしたいという人向けで、フランス人の投宿客も結構多い。一方のホテル・ブリストルは完全な外国人観光客向けのツアー用ホテル。ロビーは何時もチェックイン、チェックアウトを行う団体客で溢れている。最初にブリストルホテルに泊まっていたら、結構いいホテルだと思ったかもしれないが、星一つ評価の違うクロワートルの後だと、若干物足りない。

 部屋は子供達用のツインの部屋と我々夫婦用のダブルの部屋がバスルームを介して繋がっており、互いに行き来出来るようになっている。四人ぐらいの家族で南仏を旅するというパターンも結構多いのだろう。そういう家族専用の部屋という感じだった。

 

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行きそびれたプロヴァンスの地 アルルとオランジュ

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 エクスの街を散策した後、再び噴水のあるロータリーに戻ってきてハイヤーに乗り込む。ここからは1時間ほど掛けてアヴィニョンに戻ることになる。

 実は当初の計画ではプロヴァンスではアヴィニョン、ポンデュガール、レ・ボー、マルセイユ、エクスの他にアルルとオランジュを訪れるつもりでいた。しかし計画外の眼鏡を直す為に約一日、アヴィニョンに留まらずを得なかった為にアルルとオランジュは諦めざるを得なかったのだ。

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 アルルではゴッホの絵のモデルになった跳ね橋を観てみたかった。過去のブログでも書いているが、ゴッホはビュッフェと並んで私の大好きな画家の一人だ。印象派の絵に惹かれるようになったきっかけの絵がゴッホの跳ね橋だった。小学校高学年の時に日本で初めてミレ―の展覧会があって、それを記念して小学校で西洋絵画の複製の頒布会が開かれた。その時に買った複製画の一枚がこのゴッホの跳ね橋だったのだ。

 

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 オランジュでは古代ローマの円形劇場が観てみたかった。アルルにもローマのコロッセオに似た円形競技場があって、ごっちゃになりがちだが、オランジュのものはアルルやローマのものより規模が小さいのだが、ステージにあたる場所の背景にある壁の中央に皇帝アウグストゥスの石像があって、その威容を示している。それが観てみたかったのだった。

 

エクサンプロヴァンス 3

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 今日もエクスの街の想い出を語ってみたい。時計台の傍の木陰になった広場では朝市のような出店が幾つも並んでいた。古い人形や陶器など骨董品のようなものが多かった。

 息子は広場の中にある噴水のネプチューンの口から流れ出る水に手を翳して冷たさを確かめていた。

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 歩き疲れてカフェで休むことにして、広場に面した店の外の席を取る。そこも日陰になっていたので、風がある分そんなには暑くない。席について当然のようにビールを頼むが、砂漠に水を撒くようにあっと言う間に無くなってしまう。広場を囲む建物はホテルが多いらしく、どこも暑さの為か、窓と言う窓が開け放たれていて、裸の格好の男が窓から身を乗り出していたりする。おそらくホテルの部屋にはエアコンは無いのだろう。

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 妻がハーブティーを買いたいと話していたので、私の方が目敏く見つけて先を歩いていた妻に声を掛ける。中には様々なカップと大きな缶に入ったお茶などが所狭しと並んでいた。妻はティーバックは無いかと訊いてくれというのだが、おそらく無いだろうと思いながら一応訊いてみたがやはり無いと言う。結局ラベンダーの入ったお茶を薦められて一袋買ったように記憶している。

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 待合せの場所に戻りながらぶらぶら歩いていたら、ごく普通の家に見えたのが実は教会であったのに気づいて中に入ってみる。ステンドグラスも宗教画も聖像もどれも綺麗で、おまけに堂内はひんやりとしていて暫く休んでいくことにした。

 

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