norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

エクサンプロヴァンス 2

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 エクスの街は南仏旅行を計画し始めた頃を書いた少し前のブログに紹介した緒方拳主演のサスペンスドラマ「詩城の人々」で初めて知ったのだったと思う。ピーターメイルのエッセイ本でも紹介されていた気がする。南仏プロヴァンスを訪れたら是非行きたい場所だった。しかし、エクスの何処に行きたいかと言われると返答に窮してしまう。勿論、幾つか名所と呼ばれるものは無い訳ではない。だが、エクスの魅力は街並み自体なのだと言うしかない。知らない人には説明しにくいのだが、日本で言えば軽井沢の旧軽界隈という感じだろうか。

 街の至るところに彫刻で飾られた古い石の家があり、あちこちに噴水があり、古くて綺麗な教会が幾つもあり、広場があって、市があって、そして美術館、博物館も多い。地図を観返してみたのだが、何処をどう通って何を見たのか思い出せないのだが、とにかく気持ちのいい、フランス語で言えばトレ・サンパティックという感じの街なのだ。

 

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エクソンプロバンス到着

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 昨日は昼間酒を飲み過ぎて危うく更新を忘れるところだった。深夜直前にふと目が覚めて、更新がまだだったことを思い出して慌てて書きこんだのだった。

 マルセイユからエクスまでは車で30分程度だった気がする。ちなみにエクソンプロバンスは日本語のカタカナ表記しづらい地名だ。短縮形ではエクスとしか書きようがないが、エクスに~のという前置詞en、これも日本語ではオンと書いたりアンと書いたりするが、エリズィオンという前の語の子音と次の母音が合わさって発音されるので、エクソンと書いたりエクサンと書いたりするようだ。

 アヴィニョンでもレ・ボーでもお馴染みになった両側にプラタナスの並木があって道路に覆い被さる緑のトンネルのようになった景色を抜けていくと、エクソンプロバンスの旧市街の入り口にあたる噴水のあるロータリーに出た。運転手とはここで時間を待合せして一旦、別れることになる。

 

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セザンヌのみた山

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 マルセイユ旧市街の老舗店ミラマで本場のブイヤベースを堪能した後、待合せの漁港前の広場に出る。運転手はまだ来ていなかったが、お馴染みのヨットハーバーなどを背景に写真を撮っていると運転手が近くの店から姿を見つけて出て来てくれた。そして最後の目的地、エクソンプロバンスへ向けて出発することになる。

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 途中、セザンヌの絵で有名なサントビクトワール山が観たいのだと話をしておいたら、高速のインターをわざわざ一つ通り過ぎて山がよく見える場所まで車を走らせてくれた。セザンヌの絵とはちょっと違う気もしたが、何となく判る気もした。

 

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本場のブイヤベース

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 ノートルダム・ド・ラ・ガール大聖堂からの眺望を堪能した後は車で坂を降り、昼食を採るシーフードの店、ミラマへ案内して貰う。運転手とは2時間後に港前の駐車場で待合せを決めて店内の入る。外のテラス席もあったのだが、熱射で暑そうなのでエアコンが効いた屋内の奥の席を所望する。

 メーテルドテルが来て注文を訊くので、まずシーフードのサラダメール(魚介類のサラダ)を頼もうとすると、後でブイヤベースにするならちょっと多過ぎるのでグリーンサラダにしたようがいいと薦められる。

 それで私と妻とにそれぞれブイヤベースを、息子にはフランスに来て相当気に入ったらしい生牡蠣を、娘には伊勢海老ほどもあるランゴスティンという海老の焼き物を頼み、ワインはプロバンスのロゼにする。

 ブイヤベースは最初に生の状態の魚介類を見せにきて、その後レストラン中央の調理台で客に見せながら調理する。

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 最初にスープがやってきて、食べ方を説明してくれる。カリカリに焼いたパンに生のニンニクを擦り付け、それにアイオリソースというマヨネーズ風のソースをたっぷり載せてそのままスープに落とし、暫く置いて柔らかくさせて食べるという次第だ。生のニンニクのつんとする辛さが食欲を段々盛上げてくれる。暑さに疲れて落ちた食欲が次第に戻ってきた。ロゼの酔いも手伝っていたのかもしれない。しかし、最後のほうに魚介類の肉が皿に盛られてきた頃には、もうかなりお腹もいっぱいになってきていて、全部は食べ切れなかった記憶がある。

 

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南仏の街角

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 今日もマルセイユノートルダム・ド・ラ・ガール大聖堂からの景色を紹介する。この教会がある丘はかなり急な坂の上にあるので、麓の街並みが俯瞰してよく見える。いかにも南仏のとある街角という感じなのだ。

 実は毎年、東京新美術館で開催される日展は欠かさず観に行くようにしている。その中で毎年のようにヨーロッパのとある街角を描かれている人がいる。南仏かスペインかイタリアか、おそらく地中海に面した石畳の街なのだと思う。その絵を思い出してしまった。次の画像はそんな日展に出品されていた一枚だ。

 

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ノートルダム・ド・ラ・ガール大聖堂 2

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 ノートルダム・ド・ラ・ガール大聖堂には幾つもの聖像や、宗教画などが飾られている他、海の街マルセイユらしく、船に関連するものが幾つも観られた。今日の冒頭の画像もそうで、宗教画のイコンのような壁画の真ん中に描かれているのは帆船だ。この港から船出していく漁師や家族が航海の無事を願って聖母マリアに捧げたというような趣旨のものなのだろう。聖堂内には昔の帆船の模型まで飾られていた。

 涼しい堂内を出ると日差しが眩しい。海のすぐ向こうに見えるのはシャトー・ディフという島だ。監獄として使われていて、アレクサンドル・デュマの岩窟王という小説の舞台としても有名だ。私が少年の時に読んだタイトルは岩窟王ではなく、モンテ・クリスト伯という題名になっていた。イフ島(ディフはイフに定冠詞ドゥがついて変化したもの)へは5分ほどのフェリーで行けるのだが、この時は時間がもったいないと諦めることにした。

 

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ノートルダム・ド・ラ・ガール大聖堂

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 昨日、今日と記事は2002年の旅行から帰国後すぐにつけた旅行記の文章を殆ど流用している。昨日の記事で、個人名が入っていたのに気づかず掲載してしまったので、今日、直しておいた。

 

 マルセイユ旧市街の丘の上、ノートルダムどらガール教会の駐車場は結構混んでいた。運転手が鼻歌で(勿論フランス語でだが)独り言を洩らしている。「どこへ~停めよう~かな。車は~どこへ~置けば~いいんだい~。」みたいな歌詞だ。心のなかで思わず笑ってしまう。

 

(このくだりは、最近落選した某元代議士みたいで今でも可笑しい。)

 

 ここでも、30分後くらいに待ち合わせて外へ出る。まず教会外の展望台からエルバ島、シャトーデュフを含む地中海と、茶色と赤のマルセイユの街の家々を眺め写真を撮る。少しけぶった感じで、しかしかんかん照りの真っ青な空の下だ。

 

 それから堂内にはいる。最初に入ったところは後で気付くのだが、下の小聖堂で、その上に大きな大聖堂があるのだった。絵や像がスペインやイタリアに居るかのような錯覚をさせる。息子はここで、先に画像を紹介した3つめのメダルをゲットする。

 

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