金閣に着いた頃なんとか雨も止んだ。入場料を払って金閣の前に出た時にちょうど雲が切れて夕陽が差し始め、金閣が燦然と輝きだした。しかも東の空には虹まで掛かっていた。物凄くいいタイミングだった。
私は京都の寺社の中で金閣寺が一番好きだ。小学生の頃、プラモデルで作った事もあるが、三島由紀夫の小説に起因しているところも大きい。
中学生に成りたての頃、昼食時に隣に居た担任から音楽好きの私に、作曲家では誰が好きなんだと訊かれベートーベンと答えて赤面した事を思い出す。しかも一番のお気に入りは「運命」だった。担任からはそれしか知らないのだろうみたいな顔をされたが、実は小学生の頃、レコードを擦り切れるほど何度も聴いていた。同じ様に好きな曲にドヴォルザークの「新世界」の第三楽章がある。好きなものは好きなのだというのが私の主義だ。