norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

初めてのジャーナリスト対応 S13型シルビア

f:id:norimakihayate:20150901111003j:plain

 昨日はまた一万歩を超えることが出来た。山陰本線上では倉吉を過ぎて、下北条(しもほうじょう)という所まで到達した。

 

 プレーリーからミストラルに乗換えた頃から少し時間が前後するが、新型モデル発表のジャーナリスト試乗会に説明員として派遣された事がある。五代目のシルビアが発表された時で、四代目シルビアの途中から、搭載されていたエンジンCA型の担当をしていたので、動員されたのだった。試乗会対応はこの時が初めてだった。会場に設定されたのは箱根の仙石原付近のホテルだった。ここに発表されたばかりのシルビアS13型10台前後を持込み、自動車関連ジャーナリストに一回20分程度の試乗をさせ、その後、ホテルで質問などに答えるというものだ。それ以前はこのような仕事は広報と呼ばれる部隊が対応していたのだが、この頃から設計者自身が質問に答えたりインタビューに応じたりするというのが流行り始めたのだった。車体はフルモデルチェンジだったが、エンジンは前モデルと同一のものを引き継いでいたので、あまり出番は多くなかったが、相手はマスコミのプロ記者。とても緊張して、冷や汗をかきながら応対していたのを憶えている。

 

 シルビアは代々、スタイリングのいい車だったが、このS13モデルはその中でも車体高を低く下げていて、スタイリング最優先だった。その為歴代シルビアの中では一番売れた車だったが、開発はかなり大変だった。前モデルと同じエンジンではあったが、スラントというエンジンルームにエンジンをすっぽり収める為に斜めにエンジンを傾けるのだが、どの車よりも傾きを大きく寝かせるように要求されたので、車体設計との間で何度も調整会議が開かれた。エンジンの下部にオイルパンがあってオイルの油面はエンジンがどう傾こうが、水平にせざるを得ない。それだけではなくて、車は旋回をすると遠心力で油面が外側に傾いていくので、うまく設計しないとオイルの吸い込み口が油面から出てしまうことがあるのだ。そうなると途端に焼付きを起してしまう。シルビアのようなスポーティー車は旋回横Gが1Gまで対応することを要求される。そうなると油面は45°に傾くのだ。その状態でもオイルの吸い込み口を油面から出さないようにする設計が最も苦労した点だった。

 

 S13型シルビアのコンセプトは若いカップルのデート・カーという設定だったと思う。しかし、発売後暫くして、専用の改造パーツなどが売られるようになると、峠族と呼ばれた特殊な人達に好まれるモデルになってしまうのだ。