昨日は八本松を出て、瀬野を過ぎ中野東までやってきた。八本松は山陽本線で一番標高が高い駅とされている。またこの八本松と次の瀬野の間は有名な急勾配があって、嘗ては上り線は補助機関車を付けて登っていたそうだ。八世以山（やせいざん）という登山の名所である山をずっと北側に抱きながら山陽本線は安芸中野の街へ向かって下ってゆく。
広島までは１２ｋｍとちょっと。海岸線の呉線を辿っているとすると、ちょうど呉の辺りだ。
呉は母方の曾祖父の出身地である。父が七年前に亡くなった際に改製原戸籍というものをあちこちから取り寄せた。旧漢字の毛筆による判読しがたいその内容を解析して、父方、母方の複雑な係累を辿ることに成功した。今年の３月１０日のブログでも触れているのだが、父方は長崎、母方は広島と、共に原爆投下の地を遠い故郷に持っている。しかし共に原爆投下までには故郷を出ていて難を逃れているのだった。
