norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

ユースホステルの朝

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 S湖ユースホステルで一夜明けると、同室だった三人組のオートバイツアラー達の声で目覚める。彼等は北陸のほうから来たと話していた。前夜、密かに怖れていたミーティングは開かれなかったので、一安心だったが、ユースホステルは基本、相部屋なので話声で起されるのは仕方のない事だった。

 この旅、二番目のトラブルは朝食が予約されてなかった事だ。したつもりだったが、自分の言い方がよくなかったのかペアレント側が間違えたのか判らない。しかし特にホステルで食べたかった訳ではなかったので構わなかった。

 会員証を返して貰って早目に外に出る。前日の雪は積もるほどではなかったようで薄ら白くなったところがあちこちにみられるぐらいだった。いざ、出発と思ったところで三番目のトラブル。前輪がパンクしていたのだ。

 パンクは想定してあって、修理道具も持ってきていたのですぐに直すことにする。パンク修理だけは子供の頃から何度もやらされていたので得意ではあった。しかし、パッチを当てている間にオートバイ組に先を越される。

 

いよいよ出発

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 自転車一人旅に出発したのは、師走も押し迫った12月18日だった。天気は雨が降ったり止んだりで、時折みぞれになったりしていた。

 途中、幹線道路から一本奥に路地を入ったところで定食屋のような食堂でカツ丼を食べたとずっと思っていたのだが、日記をみると出発したのは12時とあった。おそらく昼食代を削る為に家で食べてから出発したのだろう。してみると食堂でカツ丼を食べたのは下見ツーリングの時だったかもしれない。

 二つ目の大きな峠であるN尾根の頂上付近で、最初のトラブル発生。ギアチェンジ用のワイヤが切れてしまったのだ。勿論替えは持っていない。取りあえず峠の頂上まで押してゆき、そこからは下り坂になるのでトップギアで固定されてしまった自転車で下って行く。A山というところで自転車屋を見つけるがスポーツタイプの自転車のワイヤは置いてないとにべもない。仕方なく、更に進んでいくとA津という場所にもう一軒自転車屋がみつかり、ワイヤもあったので工具を借りてその場で直す。

 相模湖に辿り着いた午後3時前にはみぞれから変わった雪がさんさんと降り始めていた。湖畔で少し休んだあと、一山戻ってユースホステルを目指す。

 その日の日記に書いてあったひと言。「教訓:逆境のときこそ困難を乗り越える甲斐あり」

 

下見ツーリング

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 (S駅前を走る国道)

 昨日は昼間から酒を呑んでいたせいで、ブログを更新するのをすっかり失念していたようだ。

 さて、人生最初の自転車一人旅だが、S湖付近のユースホステル1泊、その後Y湖畔の大学学生寮を2泊という自転車旅行の計画を12月中頃敢行することに決めた。それに先立つ半月ほど前に、本当に行けるかどうかS湖まで下見ツーリングをしてみることにする。

 峠を三回ほど越えるかなり急坂の多いコースを早朝に家を出発してS湖を目指してみる。体力、脚力には自信はあるほうだったが、ここまでの距離を乗り続けるのは初めてのことだった。最後の峠を越えた後、一気にS湖畔まで下り、その後S湖を見下ろす最寄りの駅まで行って戻ることにした。

 結局、自転車で走っていたのは3時間半ほど。時間的には充分行けるが体力的には、そのぐらいが限界だろうと見極める。穿いていたジーンズの尻が完全に擦り切れたと当時の日記に書いてあった。

 

ユースホステル

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 宿泊施設として決めた大学体育会の学生寮は当時の学生生活のパンフレットをみると、宿泊料が一泊200円、食事代が3食で450円というとんでもない安いものだった。ここに二泊することに決めた。

 自宅から自転車で富士五湖畔のこの学生寮まで一日で行けなくはなさそうだったが、峠を幾つも越えなければならないし、特に往きは昇りが多く辛そうだったので、初日は途中にあるユースホステルを利用することにした。

 ユースホステルを使っての一人旅というのは先行して姉がやっていたので、利用の仕方は姉から習っていた。ユースホステルを利用するには会員になる必要があるが、最初の宿泊地で当日手続きが出来るのだというのも姉から習ったことだった。ユースホステルの宿泊料が幾らだったかはもう何も記録が残っていないのだが、おそらく素泊まりでは千円以下ぐらいだったのではないかという気がする。

 

体育会運営の学生寮

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 大学生になって初めての一人旅をするのに宿泊先として旅館やホテルを選択するのは考えられなかった。そこで目を付けたのが大学の体育会が運営している学生寮だった。学生寮と言ってもキャンパスの近くにある地方出身者用の独身寮ではなく、主に夏期に体育会系のサークルの合宿の為に使われる施設で、海の傍、山奥、湖の畔などに幾つかあった。

 元々団体生活が苦手の私は、運動会のサークルがまず使わない冬季をわざと狙って申し込むことにした。富士五湖のひとつの湖のほとりに立つ寮を選んだ。そこなら自宅からぎりぎり自転車だけの自力で到達出来そうだったからだ。

 

自転車の改造

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 自転車旅行をする為の準備としてすこしずつ愛用の自転車を改造していったのだが、最初に行ったのがドロップハンドルへの変更だった。最初に購入した時点ではセミドロップと当時言われていた中途半端なタイプのものだった。そのハンドルでは自転車旅行が出来ない訳ではないが、形の上でもツーリング車らしくしたかったのだ。

 次にドロップハンドルに取り付け、上面の透明ケースに地図を挟み込むことの出来るボックス型のキャリングケースを購入する。その当時は国土地理院発行の2万5千分の1、もしくは5万分の1縮尺の地図を購入してキャリングケースに常備していた。

 三番目にはハンドルに後付け出来るバックミラーを取り付ける。当時は歩道や路側帯は完備されていない道路が多く、後ろから近付いてくる車両を何時でも確認出来るバックミラーは必須のものと言えた。

 最後に旅行実施の直前頃に、リアのキャリアステーに取り付けて両側にぶら下げるサイドバッグを購入してツーリングの準備がほぼ完成する。

 携帯用の空気入れは最初から常備されていたので、いつパンクしても自分で直せるように、タイヤレバー、ゴムパッチセットを購入しこれもキャリングケースに常備しておいた。

 

大学生になっての一人旅

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 大学生になった時、二つ上の姉は一浪した私に対し現役で入学しているので先に三年の大学生活を送っていたことになる。その姉が当然のように季節、季節毎に一人旅をしていた。それで大学生になったら当然のように自分も一人旅をしようと考えていた。

 しかし、アルバイトはしていたものの、なかなか一人旅をするだけの資金が堪らない。それで最初の一人旅は自転車を使って行うことを考えた。

 自転車そのものは大学に入学した際に滑り止めで入学金を用意していた私立大学のお金が浮いたのでその一部を流用して購入して貰った。本当は本格的な自転車旅行にあったタイプが欲しかったのだが、そんな贅沢をする余裕もなく、手頃な価格帯の自転車をまず購入し、後は少しずつ部品や用具を買い足して改造していくことで対応しようと考えたのだった。