norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

オテル クロワトル・サンルイ 3 朝食ビュッフェ

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 オテル・クロワトル・サンルイでは2泊しているので、着いた日の昼と、二日目の夕食をホテルのメインダイニングで採っているが、朝食は一泊目と二泊目の朝二回、石畳と芝生のほうの中庭で採っている。昼間は暑くて、エアコンの効いている室内がいいが、朝はまだ涼しくて中庭のテラス席のほうが気持ちがいい。

 案内や給仕してくれるウェイトレスが皆、スタイルがよく美人ばかり。髪をきりりと留めていてスリットの入った黒いタイトスカートを着こなしている。一人、目がぱっちりしていて表情が硬いひときわ目立つウェイトレスが居て、女優のシャルロット・ランプリングの若い頃に似ていた。

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 ビュッフェの内容はインターナショナルなホテルにあるようなものが一通り揃っているが、ひとつ珍しいものを見つけた。茹で玉子器とでも言ったらいいのか、ステンレス製の四角い鉢で中に電熱器が入っていてお湯をぐらぐら煮たたせている。卵をセットするステンレスの針金をSの字でループにしたようなものがあって、その先に生卵をのせ、反対側のフックをステンレスの鉢の縁に掛けるようになっている。後は自分の好きな時間に取り上げると、半熟でも固ゆででも自由自在という訳だ。息子はこれがいたく気に入って3個も食べたようだ。私も試してみたが、南仏の農家で自然に育てた鶏のものらしく、味が濃くて美味しい。

 

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オテル クロワトル・サンルイ 2

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 16世紀の修道院を改築して作られた四つ星ホテル、クロワトル・サンルイをもう少し紹介してみたい。

 昔、修道院だった部分は分厚い石の壁と頑丈そうな太い柱の梁がある天井で出来ている。

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 ホテルの部屋としては使われてなさそうだったが、修道院の質素な生活を感じさせる分厚い板だけのドアの部屋なども残されていた。

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 元が修道院なので礼拝堂もあり、結婚式などでは使われているらしい。中に入ることは出来なかったのだが、二階から三階にあがる階段の途中にある小さな窓から垣間見ることが出来、美しいステンドグラスがちらっと見えた。

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 また礼拝堂の真上に当たる部分には昔は時を告げていたと思われる鐘楼も備わっていた。

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 修道院の廊下だったところは宗教画がかなりの数、飾られていてさながら美術館のようだった。

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 古めかしい部分だけではなく、新しく、とは言っても20世紀になって以降ぐらいの事だろうが、建て増しされた部分の屋上にはプールも備わっていた。

 二つある中庭の片方は昔の修道院の風情そのままで、中央に噴水のある池と大きなオリーブの樹があるのみの閑静な雰囲気。もう片方は石畳と緑の芝生で敷き詰められた明るい雰囲気でテラス席が設けられて朝食のビュッフェで使われていた。

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ミシュラン四つ星 オテル・クロワトル・サンルイ 聖ルイーズの回廊ホテル

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 アヴィニョンの最初の二泊はオテル・クロワトル・サンルイというホテル。日本語訳すれば聖ルイーズの回廊ホテルとでもなるのだろう。ミシュランの四つ星であることも、16世紀に建てられた修道院を改造して出来たものであることも後から知ったのだが、インターネットで検索してあちこち予約を入れてみた中で、今から思えば奇跡的に二泊分だけ取れたのだった。

 半分ぐらいが16世紀のままの石造りで、回廊というだけあって二つの中庭を矩形の建物が回廊状に取り囲む形になっている。大昔の石造りの部分を部屋にしているところもあるのだが、我々が泊まったのはガラスと鉄筋を多用した近代的な建て増し部分だった。近代的な快適さと由緒ある昔ながらの佇まいとが同居する不思議な感覚のホテルだった。

 

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アヴィニョン旧市街

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 アヴィニョンにはAvignon centre、Avignon TGV、Avignon villeという三つの駅があることが時刻表を調べると判る。我々が到着したのは勿論TGVの駅で、旧市街を囲う城壁からはちょっと離れたところだったが、タクシーでレピュブリック門というところを抜けて城壁の内側に入るまでは20分ほどだった。このレピュブリック門のすぐ外側にフランスの国鉄SNCFの所謂在来線の駅がある。多分、それがAvignon centreだったのだろう。

 アヴィニョン旧市街は廻りをぐるっと城壁で囲まれたちょっと歪んだ円形をしているのだが、直径方向でも2kmもなく、1時間もかからずに城壁の端から反対側の端まで歩いてゆけた。

 レピュブリック門から入って旧市街の中心方向に進むと、真ん中に時計台広場がある。文字通り毎時0分になるとカラクリ時計が動き出す時計台がついた建物に面した広場だ。そこを過ぎてすぐに古代から中世に掛けてぐらいの城塞である教皇庁の宮殿が姿を現す。アヴィニョン一番の観光地である。さらにそこを過ぎて城壁の端まで行って門を潜るとローヌ河に突き出た、これも有名なサン・ベネゼ橋、いわゆるアヴィニョン橋に出る。この橋を観ると自然とあの歌が口ずさめてくる。(アヴィニョンの橋で踊るよ、踊るよ・・・)

 

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アヴィニョンを南仏旅行の基地に選んだ理由

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 南仏は南仏らしいホテル、これがプロバンス旅行の夢である。南仏らしいホテルとは、・・・。

 

 南仏の旅行案内にある宿泊にはB&Bなるものがある。Bed and breakfast で、宿泊朝食付きということになるのだろうが、そういう意味から付いている名前であろうが、ニュアンスはちょっと違うようだ。南フランスの田舎の農家が「部屋を貸して、朝食まではつけますよ。」ということらしい。

 大抵は、街からちょっと離れた郊外の大きめの農家で、鄙びた感じだが、女将さんは親切で人懐っこいという感じのようだ。

 

 オーベルジュというのもある。これは料理が専門で、ついでに泊まってゆくという感じらしい。田舎の昔風の邸宅を改造して、小奇麗なレストランを仕立て、手入れの行き届いたテラスにテーブルを並べてゆっくりワインを傾け、小奇麗な部屋で泊まらせてもらうといったタイプ。

 

 いずれにしろ、南フランスでは郊外の田舎屋敷に泊まるのがいかにも南仏風でいい。

 

 しかし、南仏初めての旅行ではなかなかこうは行かなかった。パリからはTGVが伸びていて、3時間ほどでいける。が、日本と違って電車の路線はそうそうある訳ではない。しかし、プロバンスは広大だ。どうしても郊外のほうへ足を伸ばそうとすれば車が必要になる。郊外のホテルに宿泊するなら尚更だ。

 

 我々の場合、南仏が初めての旅行で、子供連れ。しかも夫婦ともども飲兵衛ときている。幾ら広々していて運転し易いとはいえ、慣れない左ハンドルの右側通行で、ワインも制限しなければならないとあっては、充分楽しめないと、郊外のホテルは諦め、街中のホテルで、観光はハイヤーのチャーターを選んだ。

 

 荷物もあるので、南仏の中心地を本拠地にして、そこからハイヤーで回ろうと考えたので、宿泊地にアビニョンを選ぶのは自然だった。プロバンスのほぼ中央に位置し、そこそこの大きさの街で、街自身が観光地。ホテルの数も多く、(実際には使うことはなかったが)フランス国鉄SNCFの駅からも近いところが選べる。

 

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アヴィニョン到着 ゴッホが観た南仏

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 南仏旅行後すぐにしたためた旅行日記にはTGVでアヴィニョンに到着した時の印象がこう記されていた。

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 TGVを降りて、アヴィニョンの駅に降りたったら、あたり一面が真っ白に見えた。光が強すぎるのである。ゴッホアヴィニョンだかアルルだかに最初に来た時に、おなじようなことを言ったというのを聞いたような気がする。日差しが暑いことより、光が眩しいことが、より強烈な印象だった。

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 そう、丁度そんな表現がぴったりだった。その夏が特に暑かったせいもあったかもしれない。が、南仏の日差しは明らかにパリの日差しとは違っている。何もかもが白く眩しい。

 

 アヴィニョンTGVの駅は、近代的な駅である。白く塗られた鉄骨で吊橋のように張られた屋根に覆われている。日差しを弱めるスモークガラスが一面張られていて、外の光を入れて、ホームは異様に明るい。真新しい飛行場のロビーのようである。ところどころの柱にある、大きな広告のポスターは、どれも洗練された美しいものである。パリーリヨン駅とアビニョンTGV駅の対比は、ルーブル美術館の昔ながらの宮廷建築と、中庭のガラス張りのピラミッドの対比を思い起こさせる。フランス人は、古いものと新しいものを融和させるのも巧みだ。

 

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TGV内のビュッフェ

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 昨日の記事でパリ・リヨン駅と南仏・アヴィニョン駅は2時間強と書いてしまったが、調べてみたら3時間強だった。

 乗込んであまりに静かで揺れないせいか、すぐに妻と子供達は寝てしまった。それで私一人で車内探検をしてビュッフェに行ってみる。ビュッフェはすぐ隣の車両だった。ボルドーを小瓶で売っていたので、それを貰って席に戻り、ちびちび飲みながら持参したハリーポッターの原書版をずっと読んでいた。

 アヴィニョンに到着する少し前だからおそらく昼近くだと思うが、今度は子供二人を連れてもう一度ビュッフェに行く。娘はチョコレートを、息子は壁に貼ってある写真を指差して頼むと、ピザトーストだった。私はビールを頼んだと思う。ビュッフェにはイートインみたいなそこで食べる小スペースがあったので、外を眺めながらそこで食べていた。

 

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