S湖ユースホステルで一夜明けると、同室だった三人組のオートバイツアラー達の声で目覚める。彼等は北陸のほうから来たと話していた。前夜、密かに怖れていたミーティングは開かれなかったので、一安心だったが、ユースホステルは基本、相部屋なので話声で起されるのは仕方のない事だった。
この旅、二番目のトラブルは朝食が予約されてなかった事だ。したつもりだったが、自分の言い方がよくなかったのかペアレント側が間違えたのか判らない。しかし特にホステルで食べたかった訳ではなかったので構わなかった。
会員証を返して貰って早目に外に出る。前日の雪は積もるほどではなかったようで薄ら白くなったところがあちこちにみられるぐらいだった。いざ、出発と思ったところで三番目のトラブル。前輪がパンクしていたのだ。
パンクは想定してあって、修理道具も持ってきていたのですぐに直すことにする。パンク修理だけは子供の頃から何度もやらされていたので得意ではあった。しかし、パッチを当てている間にオートバイ組に先を越される。