由岐神社の先は延々と登ってゆく山道が続く。鞍馬と言えば鞍馬天狗だが、幼少の頃、まだ白黒だったテレビでよくこの題名の時代劇を観た覚えがある。時代背景など全く理解していない頃だが、鞍馬というのが深い峡谷の間の森の中だったというぼんやりとした記憶がある。
その後大河ドラマで義経が取り上げられた際に、若き日の牛若丸が修行をする場所として出てきて、ははあ、こういう場所だったのかと理解した。
今、偶々読んでいる吉田修一氏の「湖の女たち」という怪奇(?)ミステリにも主人公の幼い頃聞かされた天狗にさらわれる少女というエピソードが出てきて、(ああ、きっとこういう場所なんだろうな)と目に浮かんでくる。