駅へ向かうバスには一緒に縁結び願いらしい中年女性二人連れが乗っていたが、海岸線を過ぎてすぐ降りていった。妻は何かパワースポットがあるのかもしれないなどと言っていた。大社の門から別の若い二人連れが乗ってきてずっと二人で話をしていたが、駅が近くなって街の真ん中で一人が別れて降りていった。旅行バッグも曳いていたので、地元の人には見えなかったが不思議だ。もう一人は一緒に駅まで乗ってきた。出雲駅で電車の時間を確かめてから土産物屋を覗く。朝呑んだ旭日という日本酒700CC壜をみつけ、あご野焼のちくわと一緒に買ってゆくことにした。ホームに上がると夕陽が沈むところだった。想像していたのと違う方向から電車が来て、思っていた反対側に出発したので、間違えたのではないかと不安になった。そもそも電車が岡山行きで、どうやって岡山へ行くのかも判らなかった。案内書をひっくり返してようやく間違っていないことを確認し、一安心する。電車はローカル線の単線で、ワンマンと書いてあったがどうやって改札するのか最後まで分からなかった。