norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

小栗虫太郎・聖アレクセイ寺院の惨劇

f:id:norimakihayate:20140815210510j:plain

 肥前浜から出て、肥前七浦、肥前飯田と過ぎ、多良というところを越えた。この辺り、やたらと肥前なんとかと頭に肥前が付く駅が多い。以前、有明海を東に見ながら長崎めがけて進んでいるが、話題のある地名がない。

 

 仕方ないので洋館シリーズの続き。何となくおどろおどろしく感じるという点では、神田駿河台ニコライ堂を取り上げたい。予備校に通っていた頃、近くにこの聖堂があったので、何度か気分転換に境内というのか、敷地内に足を運んだ。一度、朝早くだったが、堂内で男性の聖職者らしき人が三人で朗々と歌になった祈祷文を唱えているのを聴いたことがある。朝のお務めというやつだろう。確かギリシャ正教に属する教会だったと認識している。

 

 まだ中学生の頃、早川書房のミステリマガジンという雑誌を1年とちょっと購読していた事がある。今でもまだ発刊されている筈だ。その一号に懐かしの新青年特集号というのがあった。新青年というのは戦前だったか、戦後すぐ位に発刊されていた推理小説専門誌だった筈だ。その復刻小説を取り上げていた。

その中に「聖アレキセイ寺院の惨劇」というのがあった。作者は小栗虫太郎という人で、その時代では著名作家である。文章の中にも「此のニコライ堂そっくりな天主教の大伽藍」という言い方で舞台となる聖アレキセイ寺院が紹介されている。何ともおどろおどろしい舞台設定だ。実際、私もニコライ堂の裏手で、どう見ても白ロシア人らしき黒眼鏡を掛けた老人が、リアカーを曳きながらニコライ堂裏手の坂道をゆっくりと昇ってくるのを目撃した時には戦慄に近いものを感じた憶えがある。

f:id:norimakihayate:20140815210610j:plain