手荷物検査の疑いも晴れて、深夜3時前に帰国便のエアバスA380-800に乗り込む。往きの便と同じ2階席で後ろから3分の1ぐらいのところだが、往きは満席だったのが、帰りは妙にがら空き。その時の模様は四年前のこのブログでも書いているのだが、話しの流れ上、再度記しておく。
あまりに席が空いているので、近くを通りかかったCAに英語で訊ねた。
「Excuse me. Are those sheets all vacant ?」
すると何と日本語が帰ってきた。「お客様のお好きな席に移って下さって結構です。」
顔を上げてみると、まさかの日本人アテンダントなのだった。
冷静に考えてみると、その当時は日本は世界で一番危ない国と思われていたのだ。シンガポールから成田行きに乗る乗客は日本に帰る客ぐらいしか居ないのだった。まだ停電は続いているのだろうか、放射線被害は拡大していないのだろうか、本当にこのまま日本へ帰れるのだろうか、そんな事がちらちら脳裏を掠めながらの離陸だった。