norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

日本人、全員集合・・・?

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 富岡を出て夜ノ森を過ぎ、双葉の手前まで来た。福島第一が大分近くなった。

 

 さて、昨日の続きで2011年のシンガポール旅行だが、まだまだ異常な出来事は起こった。帰りの便に搭乗する前の晩、ホテルの部屋に飛行機会社から一通のレターと電話があった。飛行機会社の都合により、出発時間を4時間ほど遅らせて欲しいというのだ。そもそもが夜の11時発の予定。それが深夜3時頃になるという。お詫びに一食分の食事チケットを出すというのだった。

 

 駄目と言う訳にもゆかず、取りあえず最終の地下鉄に乗って空港へ向かったのだった。出発ロビーの窓からは出発1時間ほど前に折返しになるらしいエアバスの機体が見えた。搭乗者は満杯のようだった。我々の往きの便も満席だった。

 やがて搭乗案内が出て機内へ向かう。二階建てになったA380の二階席の真ん中ぐらい。出発直前になって、我々家族より後ろ側には殆ど客が居ないことが判った。CAが通りがかったので顔も観ないで聴いてみる。

 「Excuse me. Are those seats all vacant ?」

 すると流暢な日本語が返ってきた。

 「お客様のお好きな席に移って下さって結構です。」

 (ええっ?)

 見上げると、日本人アテンダントだった。おかげで帰りは4人シートで横になってぐっすりと眠ることが出来た。

 

 眠り込む少し前、通路の端のほうで濃い目の化粧の派手な服の女が、女性CAに親しげに話しかけている。(私は旅慣れているのよ)と言わんばかりだった。

 

 「そろそろ機体は降下を始めます」という機内アナウンスで、元の席に戻ったのだが、後ろに何故か人が増えている。ふと気づくと眠り込む前にCAに親しげに話しかけていた女性だが、シンガポール航空のCAの制服を着用している。

 (えっ?CA・・・だったの?)

 私達家族より後ろ側に席を取っていたのは殆どがアテンダントのようだった。

 更には、飛行機が成田に着いて機体から出ようとすると、前の方の席にアテンダント達が何人もたむろして談笑している。

 (おいおい。ちゃんとお客様をお見送りしなくちゃ駄目だろ・・・)

 そう思いながら、ボーディングブリッジのほうへ出た時にはっと気が付いた。

 

 彼女たちはその機のCAだったのではなく、シンガポール他の各地から駆り集められた日本人の地上勤務員や客室乗務員だったのではないだろうか。飛行機会社でも外国人スタッフはどんどん自国へ緊急帰国していると聞いていた。その交替要員として海外から集められた日本人スタッフだったのではないか。その人員をかき集めるためにフライトを4時間遅らせて、日本の成田に引き戻したのではないだろうか。地震発生から10日目、福島第一の水素爆発から8日目の事である。