夕飯に入った点水楼という店は高級店で高そうだったので、四点だけにしておき、飲み物も水だけにする。それでも昼間入った定食店で相当数頼んだのに比べ、倍くらいの値段になる。
点水楼を出て、やはり物足りないのでホテル近くの屋台、水煎包という店に再度出向き、肉巻きなどを買ってホテルに戻り、新生三越の地下で買ってきたワインを開ける。
四日目の夕食はホテルからちょっと離れたところにある高級レストランへ食べに行こうということになり、夜の台北の街並みを歩いていく。駅前のビル街にはネオンが煌々と点いていて何の店かと思ったらどうも学習塾のようだった。ビル全体が学習塾をやっている様子だ。
日本人向けの店も結構あって、五鉄秋葉原というビルがある。何をメインに扱っているのか不明だったが、メイドカフェなどもあるのかもしれない。このビルの上の方の階にダイソーが出店していて新光三越の地下で買ったワインを開けるのに、ワインオープナーを買いに行く。新光三越でも無いか訊いたのだがバカ高い値段のしかなかったからだ。ビルの左隣には無印商品があって、右側には看板にカタカナ、ひらがなを用いた焼肉店がある。相当日本人の観光客が来ているようだ。
四日目の午後は暑いので暫くホテルの部屋で涼んで身体を休める。夕方になって少し涼しくなってから、ホテルからほど近い城中市場へ行ってみつことにする。ここは妻と娘は前日も行っていて様子が分かっていて案内してくれる。基本的には衣類と果物を多く売っている市場だ。
愛玉子と書いてオーギョーチイと読むらしい、フルーツジュースのようなゼリーのようなデザート風の飲み物を売っているスタンドがあって、娘と妻は気に入ったようで頼んでいたが、私はパスする。
帰り掛け、生活百貨という名前のスーパーに寄ってお土産になりそうなものを捜す。ベトナムでも見掛けた布製の柄のついたカラフルなマスクを売っているので、台湾旅行のガイドブックを貸してくれた行き付けの接骨院の娘さん用に買ってゆく。
中正記念堂の前の店に入って、私は直ぐに隣のコンビニに麦酒を買いに行っている間に妻と娘で最初の注文をしていたようだ。
まず目についた魚のすり身を使っているらしい肉団子汁、空芯菜の炒め物、揚げ茄の炒め物、日本風の冷奴に似た物、黒卵などを採る。
次にはこの店の名物らしい揚げ豆腐のようなものと、白菜の漬物を頼む。
最後に他のどの客も頼んでいる店の名前にもなっている何とか瓜乾麺を頼んでみる。ちょっともちっとして焼うどんみたいな食感だが、意外に旨い。何かとても懐かしいような気がする味だった。
店に入った時には他には数人の客しか居なかったのに、我々が最後の注文をした頃にはもう空席がないほど混んでいた。
この店の名前の6文字目の漢字だが、昔の日記をみたら倭という字を使っていた。中国語の省略形である日本語の漢字が倭なのかと思ってネットで調べてみたが、どうもやはり違う字のようだ。勿論昨日書いた優という字でもない。
そう言えばつい先日ティン・タイ・フォンを鼎泰堂と書いていたが、鼎泰豊の間違いだった。中国の漢字はパッと見では違う字に見えることがよくある様だ。
ガイドブックに載っていた中正記念堂の前にある店に辿り着いてみると、そんなに大きな店ではない。街の定食屋さんといった風情。しかし店の前の看板やガラス窓の書かれたメニューは読めないものが大半だが、何やら美味しそうなものに溢れていそう。なによりもエアコンがギンギンに効いているのが炎天下をずっと歩いてきた我々には良くて即、決定して入ることにする。
店の名前は、小南門福州優瓜乾麺。6文字目は当て字でウィンドウズのIMEパッドを使っても出て来ない字だった。タイトルにはネットで検索した文字でちゃんとした字をコピペした。小南門は中正記念堂の南側の門の事だろう。福州は店の経営者の出身地らしい。優瓜に似た字はネットの記事によると「おバカな」という意味だそうだ。この店のタイトルの有名メニューは白いただの麺だという事を意味しているらしく、味はテーブルに並ぶ様々な香辛料などで自分で付けるらしい。
この店もご多聞にもれず、酒類は置いてなくて、近くのコンビニで自分で缶ビールなどを調達してくることになる。
店の壁には会社の食堂みたいな感じで棚に幾つも料理が並べてあり、そこから自分が好きなものを採って来るというシステムになっていた。