2007年のゴールデンウィークの余韻も無くなった5月終わり頃、一日休みを取ってひとりで座間の町にふらっと散歩に出掛ける。
ここは幼少期に九州から越してきて暫く棲んだ地だ。小学校一年生の一学期が終わった夏休みに越してきて教科書などが全て変わった。その中に国語の教科書の最初に一篇の詩が載っていた。田舎の古い駅の前に桜の樹があって春に花びらがはらはら散っているというような内容の詩だった。
引っ越してきた座間の駅がまさしくそんな駅で、雨の後はぬかるみが出来るような広場が駅前にあって、そこに二本の大きな桜の樹があった。毎日のように駅から坂を上って座間駅とその向こうに見える大山山系を眺めていた記憶がある。2007年の時には家が沢山建って、当時の面影は殆ど残っていなかったが、頭の中には40年ほど前の景色が浮かんでくるのだった。
(昭和40年頃の座間駅)