本門寺がかなり近くなった辺りで通行人に本門寺を訊くと、「私はまだ行ったことがないけど、この道をまっすぐだと思う。」と言われる。寺に参りに行く老人に思われたのだろうなと思いながら、感謝を表して先に進むと、本門寺の石段前に出た。
あの界隈は小さな丘が至るところにあって、どちらが昇りでどちらが下りということがない。登ったと思うと、すぐ下り、また昇りになるといった具合だ。
本門寺本堂がひとつの小高い山で、公園のある角に出ると、もう上り坂の入口。雰囲気から貴船坂だろうと判断して道行く人に訊くが、「さあ、そうだと思うが。」と頼りない返事。昇りきってみると、ちゃんと貴船坂の碑が立っていた。