都電が走り出すと運転手がチンチンとベルを鳴らす。（なるほど、これがチンチン電車の由来か）と妙に納得してしまう。電車はびっくりするぐらい混んでいて、なかなか座れなかった。途中更に混んできたので、一番奥のほうへゆくと、切り絵の風景が飾ってあって作者のプロフィールの紹介があった。写真もあったのだが、それがすぐ傍に立っていた和装の男性によく似ている。妻が作者ではないかと言うのだが、年齢が少し違っていたようだ。しかし、そんな和装の男性が似つかわしいような界隈だった。
取り合えず最初に終着の三ノ輪橋まで行ってみて、様子を見て、それからすこしずつ戻ってくることにした。ずっと混んでいたが、荒川遊園前で子供連れがどっと降りてだいぶ空いてきた。その後、自然公園のある駅で残りの子供連れが降りる。歩いてみようと思った町屋の市街はおもったより繁華街で、電車が混んでいることを考えると無理に降りなくてもいいかなどと考えながら終点三ノ輪橋に着く。
