リニューアルされた京都市美術館はとても天井が高く、開放的な内部空間が広がっていた。よくよく考えてみるとリニューアル前のものには入ったことがなかったかもしれない。以前はよく日展の展示会をやっていたが、日展は東京で観るのが習慣になっていたし、改修工事に入ってからはみやこメッセが京都会場としてここ数年は使われていた筈だ。
以前は正面入り口だったと思われる場所が今では裏口のような趣になっている。しかし中央階段だったと思われるものは昔ながらの重厚さに溢れている。
二階からは屋上のテラス部分に出ることが出来て、主に東山の山並みが見渡せる。風が通る気持ちのよい場所だった。
中庭らしい場所も静かで落ち着いたところで異次元空間に迷い込んでしまったかのような思いを抱かせる。数か所ある雨樋が銅製で葺き直したばかりを思わせず赤銅色に輝いていた。
