小料理屋小きみは上七軒にあると聞いていたので、バスで行くのかと思っていたら北野天満宮から歩いていける距離だと判る。舞妓、芸妓の居る置き屋が並ぶ昔ながらの町屋の界隈にその店はあった。カウンタのみで１０人も入ればいっぱいという小ぶりの店内に７、８人の大坂から来たという営業の男女が既に入っていて、私達二人がぎりぎり最後の二席をゲット出来た。
ちょうどおでんを温める機会が壊れたとかで、この店の名物、おでんは小鉢に入った冷たいものだけだったが、魚を私は焼いた塩鯖、妻は鰈の煮付けにして他に小鉢が六つ付いて、その他に粕汁か味噌汁を選べる。芸妓だったらしい女将が独りできりもりしている様子なのだが、ひとつひとつのおばんざいの味は味がこもっていて大感激だった。
