県営キャンプ場を利用しての親子ふれあいキャンプは春先に行われたのだったが、その年の夏、我が家だけで自前キャンプに出掛けている。私自身が幼少期からカブスカウト、ボーイスカウトにずっと参加していたこともあって、私にとってキャンプというと、キャンプ場でするものではなく、水道も炊事場も無い全くの自然の中でするものと決まっていた。
結婚前に参加していた教会の青年会で、先輩の人達に連れられていった我が街から車で小一時間山に入ったところにあるM戸川の河畔はまさに何もない自然だけがある場所で自前キャンプをするには最適な場所だった。その当時、そんな場所でキャンプをするような人は殆ど皆無だったと言っていい。この場所の更に上流か、もっとずっと下流には民間業者が運営するキャンプ場もあったからだ。
夜は子供等に花火をさせて、呑み終わった缶ビールの缶を切り開いて中に蝋燭を立て、ランタン代わりに何本も立ててテント廻りを飾ったりしていた。
キャンプをした翌朝、渓流釣りに来た人から釣ったばかりの鱒や鮎を分けて貰って、BBQコンロで塩焼にしたのもいい思い出だ。