norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

飾り窓

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 二回目の夕食はブラッセルの街に出て韓国料理の店にゆくことになる。連日、実験隊に参加している妻帯者の現地駐在員K氏とT氏に食事のアテンドをお願いしていたので、申し訳なく、たまたま実験隊には参加していない別ののK君が食事に誘ってくれたので、彼の知っている韓国料理の焼肉の店に行くことになった。こちらのK氏は事務方で役所との折衝などを担当していて、私と同部署出身の駐在員だった。ブリュッセルのルイーズ通りの奥、裁判所の裏手にある石造りの建物の2階にある店で、高い天井と大きな縦長の鏡が印象的だった。現地のベルギー人も何人か入っていて評判はよさそう。お決まりのビールで乾杯した後、ワインを頼む。たまたま一緒になったY所長がワインを選んだが、確かサンテミリオンとコードゥローニュだったと思うがみんなで2本注文。オードブルに何を注文したかは忘れてしまったが、メインとしてはみんなで焼肉をとった。焼肉の店にしては落ち着いたいい雰囲気の店だった。

 帰りにK氏が「あそこへはもう行ったか。」と含み笑いをしながら訊いて来る。娼婦の館の事だった。K君もその手の話は好きらしく、それならとばかりに案内するという。どこをどう行ったのか、よく分からないが暗い中暫く車を走らせると、紫色のネオンが妖しく光る中に黒の下着で男を誘う娼婦の街ザベンタム郊外の飾り窓と呼ばれる館へ出た。幾つもショーウィンドーのようなところがあって、そこへマネキンのように入れ替わりで女が出演してポーズを取るのだ。車で来て、女を眺め、気に入ったら中へ入って値段の交渉をするのだという。確か公営の娼館だと聞いた気がするが三十年前の事でよく憶えていない。この時はさすがに入ってみようという者は居なかった。が、出張期間中にこっそり出掛けた者も居たかもしれない。この頃の海外出張ではそういうことも頻繁ではないにしろ、行われていた時代だったのだ。

 さすがにその時は写真を撮っていないので、ネットで雰囲気の似た画像を捜して載せてみた。