１９００年代の初め頃、ヨーロッパを中心に自動ブレーキ調整機器が導入され、その波は日本にもやってきていた。アンチロックブレーキ制御システムとかいろいろな言い方、略称があったが、最終的にはＡＢＳに統一された。
私がエンジンからシャシーに移った頃、将に各自動車会社、ブレーキシステムを衷心とする自動車機器メーカが競っていろんな車にこのＡＢＳ搭載を巡って凌ぎを削っていた。当時の寒地試験は冬の北海道でこのＡＢＳの性能をテストするというのがメインの仕事だった。
私自身は雪上の運転というのはそれほど経験は多くはなかったが、雪を踏み固めた圧雪コースでの運転は不思議と苦にならず、同僚からも初めてにしては上手いねと褒められた。
夜は当然のようにＡＢＳ売り込み企業からの接待宴会で、地元の女子大学生アルバイトのコンパニオン嬢も付随していたと思う。初めてそれに参加した時には、「なあるほど、これが目当てで毎冬寒地試験があるのか。」と得心したものだった。２０１５年２月１５日のこのブログ記事にも、この寒地試験で身を持ち崩した人の事を書いている。
