norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

独身終結宣言の旅 浄土ヶ浜

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 (岩手県 浄土ヶ浜

 入社三年目になる1980年はある意味転換期だった。同期入社の遊び仲間として男五人がほぼ固定して、冬はスキー、夏はテニスとしょっちゅう一緒に出掛けていた。それがそろそろ独身生活を卒業しようとしていた時期だった。

 入社三年目の夏休みも終わった秋初め頃、五人仲間の一人I君からドライブ旅行を誘われた。誘われたのは私と五人仲間のもう一人、J君。行き先は東北の浄土ヶ浜だった。適当に車を走らせて着いたのが偶々浄土ヶ浜だったのかもしれない。宿も当然予約は取ってなくて、近くの温泉のある宿屋に飛び入りで入ったのだ。温泉は混浴ではないものの男湯、女湯を隔てる壁の一箇所に穴が明いていて、そこに湯の噴出孔があるので向こう側が見えるような見えないような微妙な造りになっていた。

 その夜、食事を終えて床に入ったところでI君からA子と結婚することになったので宜しくと言われた。A子は我々五人仲間と同じ同期入社で二人いた女性のうちの一人。スキーやテニスにもよく一緒に出掛けていた。

 私とJ君がドライブ旅行に誘われたのは、A子に声を掛けそうな可能性のあるのが私とJ君で、他のメンバーは既に別の相手が居るせいらしかった。つまり俺が結婚するので、もう手は出すなよという意味のようだった。

 当時は男は30より前に、女は24より前に結婚するものと暗黙の了解のようなものがあった。入社三年目はそろそろそういう齢に差しかかり始めるという時期だった。